石田研究室に配属を希望する3年生の皆さんへ

石田研究室配属ポリシー

研究室紹介動画

はじめに

まず初めに,私が研究室に配属される前の皆さんに伝えたいことは,「卒業研究にどう取り組むかによってその後に人生に大きく影響を与える」ということです.言わば,卒業研究とは『大学生活の集大成』になるわけです.

大学3年生までのこの間,勉学に必死に取り組んできた人はそのまま卒業研究にも真剣に取り組んでください.一方,これまで何となく単位を取得してきて,一体自分がこの3年間で何を身に着けたのか分からない,あるいは自分が本当にやりたいことが見つけられていないという人は,卒業研究が変われるチャンスです.

これまで石田研究室に配属されてきた学生で,大学の成績がトップクラスだった学生はほとんどいません.高いプログラミングスキルや英語スキルを持って入ってきた学生もほとんどいません.しかしながら,研究面では国際会議や国内学会等の実績において,学内外から大きな評価を得てきました.これは,研究室に配属されてからの卒研生あるいは大学院生の懸命な努力による成果の賜物です.

つまり,卒業研究の成果は,これまでの講義の成績等に比例しないということです.卒業研究を通して,幅広い知識と見聞を修得し,社会に貢献できる人財となることを期待します.

教育方針

・今の社会においては,就職して何をなすか,自分に出来ることは何かを考え,職務遂行を通じて組織に出来ること,顧客に出来ること,社会に出来ることをイメージする外向きのベクトルを持った人材が求められています. よって学生のみなさんには,新規性・独創性のある「誰もやらないような研究」に取り組みながら専門性を高めていくことを期待します. また,みなさん自身が社会における問題を発見し,その問題を解決していく能力を養いながら,「課題探求能力」を身に付けてください.

・研究活動で培った研究実績は国内外を問わず自らのプレゼンテーションを通じて発表をし,自らの言葉で世界各国の研究者たちとディスカッションを行う,そしてまた次の研究ステップへと自己を研磨しながら,研究者としても社会人としても成長していける環境を数多く作っていきたいと考えています. その中で「自己形成」や「世界への意識」,「向上心・行動力」,「状況把握力」を身に付けるためのきっかけ作りをしていきたいと考えています.

・ライフプランニングの重要な部分を占めるであろうキャリアパスをしっかりと描けるようになってください. 自らの大学生活における目標設定と行動計画を策定し,自ら成果の測定を行うことで「自己啓発」を鍛え,経験やスキルを積みながら自らの能力を高めていくための順序を系統立て,将来の目的やキャリアッププランを具現化・明確化できる能力を形成してください.

卒業までに期待すること

・「内向き」から「外向き」のベクトルへ,価値の「消費者」から「生産者」へとなってください.

・「自己形成」や「世界への意識」,「向上心・行動力」,「状況把握力」を身に付けてください.

・「自己啓発」を鍛え,キャリアッププランを具現化・明確化できる能力を形成してください.

・「情報発信能力」と「質問力」を身に付け、コミュニケーション能力を高めてください.

石田研究室が求める人材

・社会人としてのマナーがきちんと身に付いている人
⇒教員や先輩との言葉遣い,メールの書き方,時間を守る,5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)

・コミュニケーション能力の高い人
⇒研究を円滑に進めるためには,教員や先輩,他大学の先生とのコミュニケーションが非常に重要.

・素直な人
⇒研究成果を出すためには,他者からの指摘を素直に受け入れ,自分の考えを素直に伝えることが重要.

・何事にも積極的に取り組める人
⇒研究以外のことや自分にメリットのないことでも要領良く積極的に取り組むことが重要.

・周りに配慮できる人
⇒研究室メンバーとは長い時間を共にするので,自己中心的な行動を慎み,周囲に配慮出来ることが重要.

・常に前向きに行動できる人
⇒常に順調に研究が進むわけではないので,思い詰めずに常に前向きになることが重要.

数字で見る石田研究室

・日本学術振興会科学研究費助成事業採択件数:5件(分担含む)

・財団等研究調査助成採択件数:3件(全て研究代表者)

・学術論文(ジャーナル)採択件数:49件

・国際会議論文発表件数:125件

・国内学会・研究会等発表件数:130件

・大学院進学者数:15人(うち2人は他大学)

・大学院生国際会議発表率:100%

卒研生のスケジュール

・仮配属~3月:研究テーマを決めるための論文調査やプログラミン能力等のスキルアップ
※卒研テーマは自由です.この「じ・ゆ・う」というのがミソです.正直なところ,教員からテーマを与えられた方が楽だと思います.しかしながら,自分が『やりがい』・『信念』を持って取り組むことが重要であり,やらされ感は良いものを生まないというのが石田の考えです.

・4月~9月:システム設計,システム開発,システムデバッグ
※この期間が非常に重要になります.9月までにはシステム開発の8割程度を終える必要があります.これは,後のシステム評価や卒論執筆のスケジュールを考慮した場合の最低限の目安です.就職活動やバイトがあろうが,全員このスケジュール感で卒業研究を進めることになります.

・10月~11月:システム評価
※例年,自治体や地元の企業等,外部でのシステム評価を実施し,自分が注力した卒業研究成果を客観的に評価してもらいます.

・12月~1月:卒業論文執筆,学会発表用原稿執筆
※例年,自身での卒論執筆,石田の卒論校正,校正による卒論修正のやり取りを最低10回は行って卒業論文を仕上げます.

2月:学会発表
※研究室内の卒業要件として,国内学会もしくは研究会での1回以上研究発表を義務付けています.
※ちなみに,修士学生の修了要件は,(1)ジャーナル論文の1本以上の投稿,(2)国際会議での1件以上の研究発表,(3)国内学会・研究会でので1件以上の研究発表になります.

卒研生という立場について

皆さんは大学生です.一方で,「研究室」に配属されることにより,研究者という肩書も持ちます.卒業研究は教員が「やってくださいmm」とお願いしているものではありません!

・この1年間を卒業研究とどう向き合うか.

・どれだけ多くの人たちと関わりを持てるか.

・いかに素直に他人の意見を聞き入れられるか.

が重要になります.

ゼミ内容について

基本,週3回ゼミを実施します.

・Weekly Reportゼミ
⇒毎週,自分が実施した研究に関連する作業をWeekly Reportとして,大学指定の週報と共に提出・報告してもらいます.
⇒また,必ず1週間に1本以上は関連する論文を読み,Weekly Report内に概要をまとめてもらいます.

・英語輪講ゼミ(毎週研究室内の学生で持ち回り)
⇒自分の研究に関連する英語論文を自分で探し,その論文をパワーポイントにまとめて発表してもらいます.
⇒英語輪講ゼミは英語の学習を目的としたゼミではなく,最新の技術情報を英語の論文から得るためのものです.
⇒したがって,自身が探した英語論文は翻訳サービスや翻訳アプリを使用して翻訳しても全く問題ありません.

・研究発表ゼミ(毎週研究室内の学生で持ち回り)
⇒自身の研究進捗状況をパワーポイントにまとめて発表してもらいます.
⇒研究発表ゼミを通して,発表の仕方や発表資料の作成方法等を鍛えていきます.

研究テーマの決め方について

石田研究室では,対外的にはVR/AR/MRシステムや災害情報システム等を主な研究テーマとしていますが,私自身は様々な研究テーマに興味があるため,必ずしもこれに縛られるものではありません.自身が情熱をもって取り組める研究テーマを選定してください.

研究テーマの決め方は大きく2つあります.

1つ目は,ニーズ(Needs)に対応した研究テーマへの着手です.石田研究室では,XR(VR/AR/MR)もしくは災害情報システに関連した研究テーマが主ということもあり,外部の関係機関(自治体や企業)から研究ニーズが多く寄せられます.これらのニーズに対応した研究テーマを石田が与えます.

2つ目は,シーズ(Seeds)からの新たな研究テーマの設定です.これは,自身で一から研究テーマを模索し,研究開発を行うものです.「研究」に対して意欲的にチャレンジしたい学生はこちらが向いていると思います.ただし,石田の専門分野以外の研究テーマを設定した場合は,共に学びながら進めていくことなります.大学院への進学を考えている学生はこちらをお勧めします.